読書感想:『血流がすべて整う食べ方』── うんち、浮いてますか

本のはなし

漢方
  
唐突ですが、質問です。
あなたのうんちは、水に浮きますか?
  
  
うん、のっけから変な質問ですみません。
  
  
ちなみに私は答えはNOです。
便秘症ではないけれど、どんなにたくさんスルっと出したって全部沈んでる気がします。
浮かんでるうんちなんて見たことないような・・・。
そもそも洋式トイレって、流れやすいようにうんちが沈む設計になってるんじゃないですかね(根拠ナシ)。
  
  
浮いてるうんちは、いいうんち。
なんで水に浮くのかといえば、食物繊維が豊富だから。食物繊維は軽いのだ。だから浮く。
  
  
逆に言うと、沈むうんちは食物繊維が足りてない。
食物繊維が足りないと、胃腸に溜まったヘドロからしみ出る毒素を防止できない。
  
  
じゃあ食物繊維をたくさん摂ればいいの?
いやいやいや、そんな簡単なハナシじゃあないんです。
  
  
ゆるおいライフのために大切なのは健康だ。
  
  
もちろん、長年酷使してきた身体は経年とともに劣化します。自然摩耗はしょうがない。けれど、メンテしなきゃ家が傷んでいくのとおんなじで、自分の身体はある程度なら自分自身でメンテできるのです。

  
ゲーテも言ってます、
『前進しないものは後退していく』
と。

メンテ出来るならしてあげましょう。なんといっても自分の身体。面倒見てくれるのは健康なうちは自分自身しかいません。
  
  
ってことで、この本。 R+さんからの献本です。

  
  
私達の身体の中は全身に血管が張り巡らされていて、血液に溶けた栄養がこの血管を通じて全身にくまなく栄養を送ります。まあこの仕組みは小学生でも知っているでしょう。
  
  
なので理屈でいえば、血液がちゃんと全身に行き渡ってさえすれば、頭のてっぺんかららつま先まで、身体はちゃんと機能するはずなんです。たぶん、きっと、おそらく。
  
  
それが、なんらかの問題が起きて血液が十分に届けられなくなると、その途端に歯車が合わなくなって問題が発生しちゃいます。だるい、冷える、むくむ、太る。あ、それ私だワタシ(笑)
  
  
「ドロドロ血」という言葉がすでに市民権を得ているように、一般に私たちは血の流れが悪いというと、粘度高くてのろのろ、ちょろちょろといった、血自体に何か問題があるようなイメージがある。
  
  
でも、そうじゃなくて、雨が降らないと川も底が見えてしまって魚さえも運べないように、血流もそもそも量が不足しているから流れ自体がおきなくて栄養を運べないのです。
  

そもそも量が不足してる!  
本書ではそれを指摘していて、正直ちょっと目からウロコ。
  
  
あー、なるほどなー、言われてみれば、そりゃそうだ。
雨上がりの川は量も多くて流れも早い。
  
  
川の流れ.jpg
こんな血流になりたい

じゃあ血流が不足するのはなぜなんだぜ。
  
  
簡単にいうと、材料と工場の問題。材料がきちんと仕入れられなければ工場は稼働できないし、工場が動いていても機械の故障とかで稼働率が悪ければ生産性は落ちます。そしたら出荷量、つまり血流が減らざるを得ないわけです。なんてこった。
  
  
原因と因果がわかれば、対策の8割は終わったようなもの。まずは機械が正しく稼働するよう、工場の掃除から始めましょうか。それが本書が提唱している、胃腸をキレイにするための「一週間夕食断食」という方法です。この話が第二章。
  
  
この一週間夕食断食、本の中で何度も何度も薦めてくるからやってみてレポまでできると良かったんですが、ライフスタイル的に無理でした。
  
  
ちなみに私は腸の掃除にもはやブームも去ったコーヒーエネマをたまにやりますが、これについてはまた別の機会に書こうと思う。
  
  
さて機械が正しく動かせるようになったら、次は材料がまんべんなく揃っているのかをチェック。足りないものはちゃんと仕入れておかないと。ってのが第三章と四章です。
  
  
この本の著者は漢方薬剤師で、出雲大社参道で90年以上続く老舗漢方薬局の4代目だそう。不妊に悩む女性の相談に応えることも多く、それらの経験から得た智慧が、この本の中には詰まっている。
  
  
なので、実際に何をどうやればいいのか、興味を持った人はぜひ本書を手に取って試してみよう。
  
  
でも私にとってこの本の一番の魅力は、健康ノウハウよりも漢方的な薀蓄でした。蘊蓄大好き(笑)。
  
  
とくに気に入った一節を紹介しておきましょう。

「日本の古い国名を『大和』といいますが、なぜこんな字を書くと思いますか? 和という字は、禾(のぎ)に口と書きます。禾というのは稲や稗、黍といった五穀が実った穂の姿をしています。禾を口にする。つまり、穀物を食べる幸せな状態を示したのが、和むという漢字の起源です。そして、大勢の人々が飢えることなく食べているという状態を『大和』としたのですよ」

  
著者が、お参りにいった宮司さんから聞いた話とのこと。ええ話や。
  
  
春は「発陳(はっちん)」、夏は「蕃秀(ばんしゅう)」、秋は「容平(ようへい)」、冬は「閉蔵(へいぞう)」。
季節ごとの持つ自然の特徴、それを読み解いてきた先人たちの智慧、それを体系化した漢方という知識の集合。
  

漢方の考え方の根本は、自然のリズムと人の身体を調和させることにほかなりません。病気になってから慌てるのではなく、ふだんの生活や食事を四季と合わせて、いつ、どんなことに注意したらいいのかを知識として積み上げているのです。

  
結論。
漢方蘊蓄第五章が一番読みごたえあって面白かった(笑)!!
  
  
さてでは美味しく食べて、出すものを正しく出して、みんなで幸せになりましょう(笑)。
  
  

  
  
あ、記事タイトルは『ライトついてますか』って本からのパクリでした。分かる人には分かったかな。ちと(かなり)古過ぎるか。

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